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―――エリコ。
「あ、端本さんだ!」
放課後。
待ち合わせの駅前で、握りしめていた携帯が鳴ると、私とノゾミはほっとした。
―――端本の部屋。
「…そっか。あの刑事さんがいたんだ。」
「まぁ、不審者がいるとかなんかの通報があったんじゃないかな。俺を犯人だと思ってる訳じゃないだろうし。」
端本さんはコーヒーをすすりながら、平然と昼間の話をする。
「エリコちゃんが言ってた、渡辺あゆみだけど、確かに学校に行くのは遅いけど、朝は家にいるみたいだ。彼女はただの遅刻常習犯なだけかもな…。」
「そうですか…。」
「でも、ありがとうね。二人とも色々調べてくれて。これ以上二人は関わらない方がいいよ。」
「………」
確かに役に立てることはないかもしれないけど…。
「来週だったら、渡辺あゆみも早く学校に来るのにね。」
さも残念そうにノゾミが言った。
「?」
端本さんが首を傾げる。
「そうだ!。そうですよ、端本さん!。来週もう一回確かめてください!」
勢いにびっくりした端本さんに、詰め寄った。
「来週、テスト週間なんです。きっとあのこも早く学校に向かうはず」
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