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「あれは屋敷なの……?」
謎の言葉を吐き、光はその場にヘタレ込む。
見渡す限り咲き乱れる薔薇と棘ありしツタ。
「……いや」
空は暗雲に包まれ、屋敷は雪の中。
「いやああああああああ!」
白雪に囲まれた屋敷の外れ、薔薇には僅かな雪化粧。
美しくも儚き棘と花びらに囲まれ、二十歳の乙女は咽び泣き。
「あああああ!大和さまああ!」
唖々、光の嘆きが薔薇を模った螺旋に広がり消えていく──。
あの男にその声は届かない。
長門一族 真 八名八問!
転地逆天の試練!
諸君、最終問題だ!
“物語を語りし我は誰か?”
八卦無し!さあ参れ!
──命は金で買える。
我は自ら改装したこの屋敷となり、今しばらく我が一族の行く末と絆を見守ろう。
奇少物件100LDK
第一部 閉幕。
奇少は〝超Q〟へと回想する。
超空物件QLDKに続く──。
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