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地下の隅にはリボルバー型の駐車装置も設置され、各弾倉には固定されたハーレーやスポーツタイプのバイクが見えた。
「まるで秘密基地だな」
さらに、大和はコンクリートの壁に飾られた白い表札を発見する。
「長門邸 地下、えき?」
その表記の先には、駅の改札らしき物が見えた。
「私設の地下鉄!? うそだろ?」
驚きのなか、慎重に車を進めると、並んだ車の間に空間を発見する。
空いた白線に車を停めるなか、隣に停まっている車が他と違うことに気づいた。
自身の車を停めると、大和は隣に停まってある車を睨む。
その車は、大和が乗る社用車と似た白の軽ワゴン。
「っちぃ。やっぱり先越されてたか」
舌打ちの先には、その車の腹に書かれたMIKASAという鮮やかに印刷された英字。
大和が勤める陸奥セキュリティと対を成す、セキュリティ会社MIKASAの営業車がそれだった。
「大和さま」
「あ、はい」
いつの間にか、車の前に先ほど光と名乗ったメイドが立っていた。
手には屋敷入り口では持っていなかった、バインダーのような黒いパネルを抱えている。
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