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そして、大和は写真の人物たち数人の顔を知っていた。
そもそも、彼はこの写真に写る人物の1人と会うため、この屋敷へ訪れたのだ。
「これは、長門さまご家族の記念写真ですね?」
「よくご存知で。けれど問題はこのお部屋の中に、人間は何名いますでしょうか? というものでございます」
少し見ただけで、この写真内には計7名の人物がいると分かる。当然猫は含まれない。
まさか幽霊が写っているわけでも、階段の装飾が人の顔に見える騙し絵の様子もない。
仮にそうだとしても、彼女は人間と明言した。
老夫婦が2人、壮年の夫婦が2人、子供が2人に赤子が1人。
すなわち答えは計7名。
「答えは……」
答えを言う瞬間、大和の心に疑いの重しが圧し掛かる。
違う。
部屋の中の人数だ。
『 この写真に写る、お部屋の中に、人は何名いますでしょうか──? 』
「──答えは8名以上だ」
大和の答えにメイドの光は微笑んだ。
「正解です。理由は?」
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