1119人が本棚に入れています
本棚に追加
/175ページ
「ハッ・・・ハッ・・・ハッ・・・。」
理嵐は荒い呼吸をしながら沖田の腕を見た。
己を抱きしめる腕は微かに奮え、力強く抱きしめられる。
理嵐は己の肩に顔を埋めている沖田の頭を優しく撫でてやる。
すると沖田は怯えた・・・今にも泣きそうな目で理嵐を見る。
理嵐はそんな沖田を安心させるように微笑み、
「も・・・大丈、夫だ。」
と小さな声で囁く。
だが、顔色は悪く 大丈夫 とは言えない。
「理嵐・・・。」
沖田は理嵐を見て安堵したのか息を吐く。
そして理嵐を姫抱きにすると自室へと足を向ける。
「総、司・・・?」
理嵐は呼吸を整えながら己を運ぶ沖田を見上げる。
―スッ
襖をさっと開け理嵐をひきっぱなしだった布団へ寝かせる。
「・・・理嵐。水とかいる?お茶の方がいい?」
沖田は心配そうに問う。
「そうだな・・・梅干しと水を頼む。」
「梅干し?」
「あぁ・・・一応塩分をとった方がいいかもしれないから。」
理嵐が苦笑しながら言うと沖田は わかった といい、部屋を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!