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ある日の早朝、「今日も空が青いな~」なんて言いながら、黒猫出版の編集長の椅子に座って、窓の外の空を呑気に眺めている男が、俺を呼び出した。
編集長の椅子に座っている辺りから、お察しの通りの編集長だ。
「美形ですか?」と聞かれたら「美形です」と答えるしかない。
なんたって若くて、スーパーモデル並みのルックスの持ち主だからな。
残念ながら、年が近いはずの俺はコイツを前にしてハキハキと受け答えできた覚えがない。
コイツのルックスは、どうでも良いんだ。俺が知りたいのは、どうしてコイツが俺を呼んだのか、ということ。
「仕事があるから」と言われれば、それでお仕舞いだと思うだろ?
それが違うんだよ。
どうしてかって?
コイツは一回も自分から直接、俺に仕事を回したことがないからだ。
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