第0夜 逃げるが勝ちだ!

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もういいかなって思って振り返ると、 「なんか変わってるし!!」 オレを追いかけるのは、 機械人形から狼型モンスターのコボルトに変わっていた。 つーかめっちゃコボルト多いし。 コボルトの一匹が飛び掛かってきた。 「ぴぎゃぁぁぁぁ!!」 引き裂いて喰われるという恐怖から、 オレはさらに走るスピードをあげる。 オレはいつまで走り続ければいいんだ!? というかオレが何をした!? その後、30分程オレの逃走劇は続く。 所変わって、ここはある草原。 そこで一体のモンスターと、 3人の男女が戦闘を繰り広げていた。 「姫っ!!」 格好からして、魔法使いの男が、 モンスターの触手の刺より、毒を注ぎ込まれた女に駆け寄る。 「痛い、痛いよぉ。」 女は毒の痛みでのたうちまわる。 「ご安心下さい! 今すぐ解毒いたします! レン、悪いが時間を稼いでくれ!!」 「ああ、姫を頼んだぞ。 しかし、コイツを1人で食い止めるか・・・」 剣士は剣を構え直し、モンスターに突っ込む。 そして迫り来る触手を剣で防ぎ、 なんとか解毒するまで食い止めようとする。 「げ、解毒魔法が効かない!?」 魔法使いは自分の魔法が全く効果がない事に驚き、 声を張り上げる。 「チクショウ、もう限界だ!!」 剣士は息を乱し、触手の嵐から抜けるため、 後ろに跳んで逃げる。 絶体絶命かと思われたその時、 何かが疾風のような速さで駆けてきた。 そして、モンスターを・・・・一瞬で両断した。 時は少し遡る。 「ハアハア、もうマジ死ぬ。」 もう足がガクガクしてる。 誰か教えてくれ、オレが何をした!? コボルトは諦める事なく、 オレを執拗に追いかけてくる。 そんな時、少し遠くに何かが見えた。 近づくにつれ、それがハッキリとしてくる。 それは、危険度ランク13に指定されている、 ラポロ・ベンディハンズ。 上半身はゴツい鎧を着けた人間のような姿で、 下半身は昆虫のような六本足だ。 そして何よりも恐ろしいのは、 背中から何十本も生えている触手が持つ毒。 超即効性の神経毒で、構造があまりの複雑さのため、 解毒はほぼ不可能。 なんでそんな化け物がこんな所にいるんだよ。  
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