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クラスに入っても相変わらずのザワつき具合だったが、俺と友香、そして南はそれぞれの席に着いた。
「よし、HR始めるぞ。」
聞き馴染みのない、低く太めの声が響く。
コイツだ。
俺は睨む様に入口を見つめていた。
―ガラガラ
「ほら、席に着けー!」
「………」
確かに…まぁまぁだな。
背は高いし、スーツの着こなしも悪くない。
顔も俺の次に整ってる。
クラスの女子の視線は確実にハートだらけになっていた。
「急な事で申し訳ないが、君たちのクラスを担当することになった藤嶋修平だ。」
”藤嶋”って、確かお袋が気に入ってるあの女の名前も…
ったく、妙な偶然もあるんだな。
「先生!モデルって本当ですの?」
「あはは、情報が早いな。
ただ、元モデルな。もうとっくに辞めてるから。」
「先生、お付き合いされてる方は?」
「先生、好きな女性のタイプは?」
女子たちの質問攻撃の時間だ。
そんな中、時々首をかしげながら担任を見てる友香に気付く。
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