GoodEndその後 その二

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 俺の懇願が通じたのか、それとも殺す方法を考えているのか、あやせは再び無言になった。  俺はひたすら頭を下げ続け、あやせの言葉を待った。  ……しかし、いくら待っても何もなかった。 「あ、あやせさん?」  また少しだけ、下げていた頭を元に戻しあやせの表情を確認すると。 「……くくくっ」  笑いをこらえていた。それはもう必死に。 「あやせ……さん?」  もう一度声をかけると、我慢の限界を超えたのかあやせから笑い声が聞こえてきた。 「あははっ! もう無理ですよお兄さん!」  大声で笑うあやせについていけない俺は、とりあえず疑問に思ったことを聞いてみた。 「あの、あやせ。楽しそうに笑ってるところ悪いんだが」 「あははっ! はい、なんですか?」 「お前は、なにがそんなにおかしいんだ?」 「だって、くくっ……。お兄さんったら、必死に謝るから」 「そりゃあんな無表情なら謝るでしょ!」  めちゃくちゃ怖かったしな。 「無表情の原因がわからないのに、謝るんですか?」 「ああ」  めちゃくちゃ怖かったからな! 「もうっ、お兄さんったら」 「はっ、ははっ」  無表情からは考えられないほどの無邪気な笑顔を見て、俺は思わず苦笑いしてしまった。  ったく、嬉しそうにしてると思ったら無表情になって、無表情になったと思ったら笑いやがるし、なに考えてるのかさっぱりわかんねぇ!  それによ、あやせの笑顔を見てたらどうでもよくなってきちまった。  本当に可愛いよなちくしょう。少しくらいうちの妹にも分けろってんだ。  決して口では言えないあやせへの文句を思いつつ、俺はしばらくあやせの笑顔に見惚れていた。
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