第四章

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斎「俺は仕事があるのでこれで・・・」 俺は抱き抱えていた犬を中咲に手渡した 雪「お仕事ですか、頑張って下さいね!!!」 口調も真剣な表情もいつの間にか戻し笑っていた 雪「あっ!!!斎藤さんこの子に名前付けようと思うんですけど何が良いと思いますか?」 中咲は子犬を抱き締めながら俺を呼び止めた 斎「飼うのか・・・;」 (まさか飼うとは思わなかった・・・・・・・・) 雪「はいっ!!!!可愛いので!!!」 斎(名前か・・・何がいいのだ・・・・・?) 考えながら犬を見ていると中咲が俺を覗き込むように見ていた 斎「どうかしたか・・・・・・・・・・?」 雪「いち・・・・・・・・・・・・」 斎「えっ・・・・・・・・?」 中咲は呟く様にポツリと俺の目を見て言った 雪「いちなんてどうですか!!!!!」 嬉しそうに抱き締めている子犬と立って居る俺に言った 斎「いち・・・・・・・・?」 雪「はい!!!斎藤さんから取った名前です!!!斎藤さんの名前がはじめとも読むし、いちとも読むので!!!」 斎「良いのではないか・・・・・?」 自分の名前から付いた子犬の頭をソッと撫でた 雪「決まりですね!!!よろしくねいち!!!」 「ワンッ!!!!」 いちは尻尾を振って嬉しそうに喜んでいた 雪「じゃあ斎藤さんお仕事頑張って下さいね!!!」 中咲は笑いいちを抱えニッコリと微笑むと何処かへ走って行ってしまった 中咲を見ていると嵐の様な奴だと思ってしまった どんどん見えなくなっていく背中を俺はただ見ていた あの時俺があんな事を言ってしまったのは、もしかしたら・・・・・・ その笑顔を俺に向けて欲しかったのかもしれない 俺は思わず一人でクスッと笑ってしまった 、
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