第一章~偶然~

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カッカッカッ・・・ 自分の出すヒールの音を聞きながら廊下の奥にあるエレベーターの前まで行き、下へ行くボタンを押す。 チーーン という音と共にエレベーターの扉が開き、私は中に乗り込む。 大企業だからか、中は決して狭くない。 デザイン業なだけあってか、無内装もオシャレでスタイリッシュな感じである。 っと、入社当初はそんな事を考えながらエレベーターに乗っていたが、今では毎日見ているせいか慣れでそんな考えも思い浮かばない。 チーーン 二度目の音。 上にある階表示を見れば「1」にランプが灯っている。 開いた扉からエレベーターの外に出ると、これでもかというくらいに広いエントランス。 外側の壁は全てガラス張りで、中央には昼間ならば受付嬢が座っているであろう円になっているコジャレた机がある。 それを横目に見ながらエントランスを速足で歩いてゆく。 3つある内の1つの回転扉から外に出るとスーーーッと冷たい風が通り抜けてゆく。 まだ冬ではないが、今は10月。 少し肌寒くなってきた。 ブルッと少し身震いしたがそんな事は気にせずにまた歩き出す。 <早く帰ってコタツでも入って温まりたいなぁーーー・・>
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