◎ 同棲生活

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ほんのり シナモンが香る いい色のフレンチトースト。 湯気がもわもわ とたつ 暖かなコーヒー。 (こんなにうち 材料あったか?) まぁ いいか、と一口大に切ったフレンチトーストを 口に運びつつ、 何気に新聞を読む。 って・・・・・フレンチトースト 美味し過ぎます、葵くん。 「そんなの、よく読めんね」 ・・・目の前で少し “眉間にシワ”な葵くん。 「活字が好きなだけだよ」 「ふーん・・・」 「葵くんは新聞、ヤなの?」 「ヤじゃないけど 意味不明」 「・・・あ、コーヒー美味しい」 「あんがと」 「すんごく丁度いい・・・・」 コーヒーを 一口啜ると、 寝起きに良さそうなくらいの スッキリな後味。 まったり過ごすのも いいかもしれない・・・。 「しゅーくん」 「・・・んぁっ な、なに?」 「あい、歯磨きして」 手渡されたのは 歯磨き粉付きの僕の赤色の歯ブラシ。 (あれ・・・・いつの間に?) 「・・・あと30分あんよ」 「う、うん」 僕は歯ブラシ片手に コーヒーを飲みきって 歯磨きをして ジャケットを羽織り、 髪とネクタイを整えた。 「うしっ!今日も頑張るか・・・」 洗面台の鏡の前で ぺちっと頬をはたいて 気持ちの切り替えをする。 (・・・葵くん待ってるんだった) 僕は 玄関へと赴いた。 .
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