第五章 人形の欠片

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       ***  怒りを。  恨みを。  復讐を。  負の感情が溢れ出す。  滾るマグマのような熱を湛えて。  その一方で、見えない悲しみに心を痛めて。 「絶対に、求めちゃいけない。……叶わない夢だ」  少年は歩く。  流れくる感情にと同じように、悲しみをその胸に抱いて。  何故。  如何して報われない。  仲間がいても満たされないこの心。  ぽっかりと空いた穴は埋まらないのか。 「他の方法を探さないと駄目だ。君のやってる事は、間違ってる」  少年の声は届かない。  溢れる感情も止まらない。  如何して。  如何して。  一方的な問い掛けだけが続く。  少年は、口を閉ざした。  歩みだけは止まらない。  視線は通った儘、距離が、縮まる。
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