無自覚殺涙

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無自覚殺涙

「お前はそーゆーとこが 可愛くねぇな、やっぱ。 女は泣いてナンボだよ。」 そう笑って無邪気に 私の真ん中に どこまでも透明な刃物を 突き立てた君。 「五月蝿いほっとけ馬鹿。」 どうにもなんない位に 痛む胸をセーラー服の上から 滲み出る朱なんて 見えるわけもない 有るわけもないのに 君に見られないように ぎゅって握り締めた。 さっきからずーっと 鼻の奥がツンってしてる でも、いざ じゃあ君の理想通り 泣いてあげるよ馬鹿野郎。 泣こうとすると 悔しさばっかが募って 泣けない。 きっと私のナミダは 君に殺されちゃったの。
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