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「家に食器はありません。
丁度良いのでその食器が欲しいのなら買って下さい」
笑顔で告げる彼に言葉が出ない。
ありませんって、あった物を処分するように今言いましたよね?
「もう一度電話をかけて、処分しないよう言って下さいっ!」
慌てる私とは対照的に彼は冷静に一言。
「嫌です」
「何でですかっ?!」
「家に食器があると、貴女が欲しいのに買わないからです」
私の所為なのっ?!
「もう欲しくないので今直ぐ電話をかけて下さいっ!」
「嫌、です。
買わないと明日から珈琲も飲めなくなりますよ?」
……何て人なの…
「……二度と貴方と一緒に買い物はしたくありません」
「次は私の買い物に付き合ってもらうので大丈夫ですよ」
何がどう大丈夫なんだ。
「ちゃんと会話して下さい」
「すみません、このシリーズを全て下さい」
私を無視して店員を呼ぶと、彼は勝手に購入手続きを始めた。
「優姫さん、他の色もあるそうですが、どうしますか?」
「…私はその色がいいです」
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