第一章

7/15
424人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
後少しで奴等の尻尾を掴める。 「持ってましたよ、飴を」 「……は?」 今なんつったコイツ 「なんかこう、グルグルってなった色鮮やかな…」 「何でっ!?何で飴の情報しかないの!?何でコイツは飴しか頭に無いの!?」 何で何でと連発する土方は、他所から見たら頭がいかれた人だろう。 「失礼ですね副長」 「いや、何について失礼なんだよ!!」 「俺だって飴以外に考えてる事くらい、あるんですからっ」 ウルウルと目を潤ませる山崎は、女性に間違えられてもおかしくないだろう。 が、しかしだ。 俺にはそんな趣味はない。 「その顔は、永倉にしてやれ」 とにかく、俺はあの糞狸の情報が聞きたいんだよ。 「永倉さんに?嫌だなぁ…」 そう言った山崎は、げっそりとしていた。 「お前さ、飴の情報しかねェのか?」 「はいっ」 何の躊躇いもない目で言われたら、はいそうですかっ、と言ってしまいそうだ。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!