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後少しで奴等の尻尾を掴める。
「持ってましたよ、飴を」
「……は?」
今なんつったコイツ
「なんかこう、グルグルってなった色鮮やかな…」
「何でっ!?何で飴の情報しかないの!?何でコイツは飴しか頭に無いの!?」
何で何でと連発する土方は、他所から見たら頭がいかれた人だろう。
「失礼ですね副長」
「いや、何について失礼なんだよ!!」
「俺だって飴以外に考えてる事くらい、あるんですからっ」
ウルウルと目を潤ませる山崎は、女性に間違えられてもおかしくないだろう。
が、しかしだ。
俺にはそんな趣味はない。
「その顔は、永倉にしてやれ」
とにかく、俺はあの糞狸の情報が聞きたいんだよ。
「永倉さんに?嫌だなぁ…」
そう言った山崎は、げっそりとしていた。
「お前さ、飴の情報しかねェのか?」
「はいっ」
何の躊躇いもない目で言われたら、はいそうですかっ、と言ってしまいそうだ。
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