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赤信号で停車する度に、私はドアを開けて降りようとしましたが、どれだけやっても開きませんでした。
今考えると、チビがいなかったら…私は、かなり無茶をしていたかもしれません。
ドアを蹴っとばしたり、運転席まで乗り出したりぐらいしていたかも…
でも、旦那がロックを開ける気がなく、私も内側からでは開けられないと諦めたとき、私の中で、悔しさと怒りが再び込み上げてきたのです。
そのとき…
──冷静になりなさい、ポポ✨✨──
ハッ💥
誰かが私に語りかけました。
──ここまで来た…それを無駄にしてはいけません✨✨──
なんかの神様です…多分。
そうだね、神様…降りられないなら…
自分でここに来ればいいだけの話!
車から降りることを諦めた私は、
電信柱❗
看板‼
とにかく、住所や電話番号が書いてあるものを必死に探しました。
そして、携帯にメモしていきました。
帰ってから、自分の車で、ナビを使って来るためです。
──ちょうどこの2~3週間前に、私は自分の車にナビを取り付けたばかりでした。
「マナもいるし、これからポポにも必要になるから」
と、旦那が付けることを勧めたのです。
まるで、この日のために付けたかのようなグッドタイミングです。
そして、GJ旦那👍
私が急に「降ろして降ろして」と言わなくなり、静かになったことに気付いた旦那は、私を気にし出しました。
「いいもん、自分で来るから…」
旦那は、私が何をしようとしているか、気付きました。
それからほんの少し走ると旦那はおもむろに、ハザードを焚き、車を左側に寄せ、路駐しました。
そして、運転席から私の方を振り返り、溜め息を吐くと、
「田尾さんに電話すればいいんでしょ?…」
予想外の展開にビックリしましたが、私一人で自宅に乗り込まれるよりはいいと判断したのかもしれません。
旦那は再び電話をかけました。
TRRRRR…TRRRRR…
今度はちゃんと長くコールしています。
『もしもし──』
相手が出ました!
男の人の声が微かに漏れてきます。
…てか、やっぱ出るじゃん‼
旦「あー…中村(仮名)ですー…💧
実はちょっとゴタゴタしてまして…」
私「代わって!」
私の目の前で、旦那と田尾さん、二人で話されたって、何の意味もありません。
それどころか、私の目の前で口裏を合わせ出すかもしれません。
私「すぐに代わって!」
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