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この、鼻をつく病院独特の匂い。
──堪らなく大好きだ。
これだけだと僕が変態に映るかもしれないから、取って付けた理由でも述べようか。
──皆が嫌いというから、好きだ。
僕こと速水 一郎(はやみ いちろう)は、まあ言ってしまえばそういう人間である。
意味もなく反論反逆し、人と違う見解見識を持ちたがる。自他共に認める“あまのじゃく”。
と、そんな言い方をすると僕が至極捻くれ者に聞こえるかもしれない。
けれど本当はそんな取っ付きにくい人間じゃないことを明言しておく。
僕はただ"やるなと言われるとやりたくなる"、少年のようにピュアな心を持った存在なのだ。
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