キミの友達

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〈……でも、きっと加奈っぺより可愛い子は見つからないと思うよ〉 「な、何を言ってるの!?」 〈はは! 真っ赤になった!〉 「こーら。からかったな?」  プイッとそっぽを向くと先輩はボソリと呟いた。 「ん?」 〈何でもない。さあ、帰ろうか〉 「うん。帰ろう」  と、立ち上がるとフワフワと漂う先輩の隣に並ぶ。 〈加奈っぺ。顔赤くない?〉 「え? そんなことないよ?」 〈気のせいか〉  そう言って、少し前を漂う先輩の背中を見つめながら熱を持った頬にそっと手のひらで触れる。  “__加奈っぺ以外を好きにはならないよ”    あんなことを言われてドキドキしないわけがない。嬉しくないわけがない。  だけど私は、聞こえないふりをした。  __だって、私達の関係はそのうち終わりがやってくる。  先輩はいずれ沙耶先輩を好きな先輩に戻る。  そして現れた時と同じように、きっと突然いなくなる。  __私の心だけを置き去りにして。  そんなの堪えられるはずがない。  だから私は自分の心に蓋をする。  __二度目の別れが、一度目の別れよりも悲しくならないように。
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