ゆうちゃん

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     ゆうちゃんは、やさしい。ちょっと泣き虫だけど、みほちゃんやボクがケガをすると、水できれいに洗って、星がらのばんそうこうをはってくれる。  かけっこは遅いけど、絵をかくのがじょうずで、ねんどで動物を作るのも、みんなより早くて、いつもほめられる。  ゆうちゃんはぬいぐるみが好きで、かわいいクマのキーホルダーをランドセルにつけてる。  でも、それをからかわれると泣きべそをかく。「ゆうちくん」ってよばれるたびに、泣きそうな顔をする。  そのたびにみほちゃんが飛んで行って、ゆうちゃんをよしよしする。  ボクは二人の頭をぽんぽんとたたく。背のびして。  ゆうちゃんは、かわいい物が好きで、ふわふわの短い髪をもっとのばしたがってて、外で遊ぶのもきらいじゃないけど、おままごとも好き。体育のときや、トイレのときに、女の子といっしょじゃないのがいやなんだって。 「どうしてゆうは、女の子といっしょじゃだめなの?」 「保育園のときは、いっしょだったのにね」 「おとなが決めたことって、よくわかんないね。ボクたちには、ボクたちの考えかたがあるのに」  ボクは読んでいた動物図鑑を握り締めて、ブランコを力いっぱいこぐ、ゆうちゃんとみほちゃんを見つめた。
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