STORY1

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君だけには 会いたくなかった 栗山真理だけには… 大切な人だけど やっぱり俺は 生き残りたいから でも真理とは 争いたくないから‥ 「俺は生き残る」 「私はそれでもいいよ」 予想外の反応で 少し戸惑った だけど俺はひと思いに 真理を見送った 最期に真理が 呟くように言った言葉が 耳から離れない 「乾‥人間って恐いね」 その通りだ そして真理が 最期に力を振り絞り 声のでない口を動かして 伝えようとした言葉 俺の見間違いじゃなければ それは俺が 伝えようとした言葉――‥ 人間って単純だな 人のために死ねるなんて 君って単純だな でも俺も同じかもしれない 君がいなくなってから 俺の未来が見えなくなった 俺も単純だ… なぁ 真理‥ 最期に何を言おうとした? もう一度 いや 何度も 君の優しい声で 癖になるくらい 繰り返して‥ 自殺は嫌だから 自然に死ねる所へ来た タイムリミットの音が 首輪から鳴る度 真理を思い出す ピ   また可愛く笑って ピ   また優しく叱って ピ   また素直に泣いて ピピ   最期に教えて ピピ   何を伝えたかった? ピピピ   俺の勘違いじゃなかったら ピピピピ   もう一度言って ピピピピピ――――――― ”ダイスキ”って‥‥ ××THE END××
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