file8:錬金術士の夢

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「トカゲ…。」 腕を組み、何か考え始めるサラ。 そんなサラの様子を姫が覗き込む。 「もしかして…誰か思い当たる人がいるとか…?」 淡い期待を寄せつつ、そっと声を殺して聞いてみる。 「…ひとりだけいるアル。」 そういってごくりと唾を飲み込んだ。 「そいつがどこにいるかわかる?」 険しい顔でレムが訊ねるとこくりと頷いて舞台裏の出口へと足を進める。 「その人…アルさんにとってどんな関係なの?」 姫がサラの顔を見ながら訊ねると、少し不機嫌な顔をしたサラ。 「我の…旧友アルよ。でも、あいつはもう…我の知っている奴ではないアル。」 ため息まじりにそう言うと、姫が少し落ち込むような仕草をする。 「その人…生体実験してたりするの?」 レムにしては珍しく恐る恐るサラの機嫌を伺いながら訊ねた。 「昔は虫一匹も殺せないような優しい奴だったアル。でももう今は…すっかり変わってしまったアル。」 少し悲しそうに顔を俯くサラを見て二人も自然と黙り込んだ。
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