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「じゃあな」
そう言って、階段を下りていく響を見送って、こっそり溜息をつく。
重い足を引きずって教室へ入ると、すでに先に来ていたらしい夢ちゃんに手招きされた。
「未衣、おはよ」
「おはよー…」
「響センパイって、すごく過保護なんだね。見てる私まで、顔が熱くなってきちゃった」
夢ちゃんは、赤くなった頬をパタパタと冷やしている。
私に向ける目はキラキラしていて、完全に憧れている…っていうか、羨ましがっているみたいだ。
「ラブラブでいいなあ」
「そんなんじゃないよ」
「ええ? でも…」
「響は本当にただの幼なじみだし」
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