昼寝日和

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雲一つない青空を眺めながら、私は小さく大きなあくびをした。というのも、私は世間的に小柄で、その分口も小さくて、でも心だけは真っ直ぐ大きくありたいというもの。 なんて。ご都合主義なだけなんだけど。表現の一つや二つ、背伸びしてもバチはあたらないでしょう? 「今日は、昼寝日和だなー」 はやくも本日二度目のあくびをして、踵を返した。向かう先は大学――ではなく、親愛なるベッド様。 『ご学友の皆々様方、私めの出席とノート、何卒よろしく』そんなメールを数人に送って、私はすぐに意識を手放した。 夢占いなんて信じないし、そもそも考えることすら面倒臭い。予知夢なんて、尚更胡散臭いと思う。世の中は臭いことで溢れているのかしら。 しかし、だ。もしも夢で私という存在が私足り得ると判断できたとしたら。私は私でいられるのだろうか。 まあ、考えたって仕方がない。こうも意識がはっきりしてくるってことは―― 「深層心理、ねえ」 お目覚めってこと。
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