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「…………潰すッ!」
……刹那、ヒカリの姿がその場から消えた。
それを見たフェイトは、眉一つ動かさず、器用に、大きな鎌を身体の周りで回し始める。
ガガガガガッ、という連続した金属音が、フェイトが回している鎌から響いた。
目で追うことすら困難なヒカリの攻撃を、無駄なく全て防いだのだ。
だが、一度消えたヒカリは、まだ姿を現さない。
「クックッ。確かに速いが、その程度じゃツマラナイなァ」
それを確認した上で、フェイトがニヤリと口元を緩める。
その時、もう一人の人物が動いた。
「……僕を忘れてもらっちゃ困るんだけど?フェイト君」
まだ一歩も動いていなかったヨモギが呟くと、突然その空間に突風が吹き、フェイトの左肩が小さく斜めに裂ける。
「おっ!?」
「よそ見してると、真っ二つになるよ」
「……へェ、流石は風使いのヨモギって所か。楽しいねェ!クハハハハハッ!!」
すると、笑い叫ぶフェイトの全身からいきなり、どす黒いオーラのようなものが噴き出した。
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