怪談は時期外れに

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「何故なんだ!」 厳しい顔で問い詰めるコウ。 肩を掴まれたクロノはうつむき、肩を震わせる。 顔は見えないが、クロノが泣いているのがコウには伝わってきた。 「私は、コウ様をただの主人とは見れません。 これ以上は、辛いだけです。」 コウは片手でクロノの顎を持ち、顔を上げさせる。 「それは俺も同じだ。だから、俺の元を去るなんて言うな!」 コウはクロノの顔を固定したまま、顔を近づける。 唇と唇が近付き、クロノは両のまなこをつぶった。 そして、その距離が無くなり・・・ 俺「って、何だこりゃー!」 俺は開いていた本を勢いよく閉じる。 サクラ「何って、今話題の小説、『愛は種族を超えて』よ。」 知らないの?と言いたげなサクラ。 俺「そうじゃない!何で俺とクロノが・・・」 周りにいた女子が顔を赤くする。 ちなみに、俺達は教室にいる。 年末年始の休みが終わり、ナギとナミを連れて学園に登校してきた。 教室に入ると、女子が何やら騒いでいて、俺を見るなり矯声をあげたのだ。 理由を問い詰めたところ、先程の本を見せられた。
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