第四章 -エクソシスト-

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俺は夢の事を話さなかった。いや、話せなかったんだ。鮮明すぎる夢。その場にいるかのように、伝わってきた夢。 あれは、夢なのか……? もしかして、俺の記憶だったのか? いや、違う……っ!!絶対に違う!! 俺は嫌な記憶をかき消すかのように、大きく首を振った。 「行くぞ、圭汰」 「あぁ、今行く」 圭汰は、そんな俺を心配そうに見つめながら、出掛ける準備をした。支度を終えると、すぐに夜の街に出る。 昼間よりも気温は下がり、半袖でいるのが少し肌寒い感じがした。人気もない。 「なぁ、探すって何処を探すんだよ?」 宿の目の前にあった大通りを、二人だけで歩いていると、不意に圭汰が聞いてきた。 確かに、昼間の男性が言っていたように、この街が大きいし広い。 エクソシストが、何処に現れるのかも検討が付いていない。そもそも、エクソシストがいるのかさえ分からない。そんな中、探し回るのは無理があった。 「……そうだな。とりあえず、街全体が見渡せる場所に行こう」 「それなら、俺、いい場所見つけたぜ!」 そう言って、圭汰が自慢気に笑った。俺達は圭汰が言う、良い場所とやらに向かって歩き出した。 .
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