第一章 【居場所】

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まさか誰かに気付かれるなんて思って無かった。 それからは朝も休み時間も放課後も、金魚の糞みたいについてくる。 周りから見たら明らかに不自然、不釣り合いな2人だ。 「ほらっ!! さっさと来いよ!!」 バンッ!! 「キャッ!! ごめんなさい。 許して下さい」 何!? 「いつもノロノロしてて目障りなんだよ!!」 「マジでキモイから」 「ごめんなさい…」 うわぁ…タイミング悪っ。 面倒なことになってる。 出にくくなったじゃん。 「謝るなら、学校来るの止めたら?」 「気分悪いんだよ!!」 バシャン!! 「キャアッ!!」 うわっ…イジメ? 長くなりそう…。 付き合ってられないし、何で私がコソコソしなくちゃいけないの? ガチャ。 私は馬鹿馬鹿しくなって扉を開けた。 A組の女3人と…見たことの無い女の子。 その姿はずぶ濡れだった。 4人の視線が私に集中する。 「あっ!! 私のことは気にしないで」 私はニコリと笑って、ハンカチをくわえて手を洗う。 「マジ目障り!!」 「すみません…」 はぁ…ウザイ。 私は水道の蛇口にホースを差し込んだ。 そして蛇口を全開に回し、3人にホースの先を向ける。 バシャーッ!!
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