第五章 リョウ 後編

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階段を進んでいくと、 間もなくミシンの音が聞こえてきた。 先生はすぐ直せると言っていたけど、 こんな時間まで作業をしているということは、 結構手こずっているようだ。 リョウは慎重に歩を進め、 静かに家庭科室のドアを開けた。 達河先生は僕が入ってきたことに気付いていないようだ。 ミシンの音が、 僕がたてた音を上手く掻き消してくれたようだ。 リョウはゆっくりと達河先生に近付き、 手が届く距離になって始めて口を開いた。 「達河先生。」 リョウがそう呼びかけると、 「うん?」と言って達河先生は後ろを振り向いた。 その瞬間、 リョウは用意していたナイフを振り上げ、 達河先生の胸に突き刺した。
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