20XX.9.26

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――――――――――――― ―――――――――― ――――――― 「……さっきの。警備員来た時のほのかの顔、まじウケた。」 「何おぉっ!!神坂だってビビった顔してたじゃんっ」 「オマエにつられてやったんじゃんっ」 あれから。警備員の足音が遠ざかった隙に、二人非常階段を駆け降りて。 神坂に引きずられるかのように全速力で走って、夜の校舎を脱け出した。 アイツはあたしの手を決して離す事はなくて。 見付かる事のスリルよりも、神坂の熱い手の温度に苦しくなった。 いつもより。ほんの少し遅めの通学路。 生徒も通行人すらも、誰もいなくなった道を神坂の後について歩く。 「…なあ。」 「ん?」 「……それ。食わねぇの?」 神坂が、突然顔を覗き込んできてあたしの手を指差した。 ……すっかり忘れてた。 ずっと握り締めたままだった左手をそっと開くと、神坂がくれた星形のキャンディー。 キラキラしたそれは、何故だかあたしの胸をきゅんと熱くさせる。 「だって。勿体無くて、食べらんないよっ」 「……バーカ。」
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