付録

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 入学してはや数ヶ月。  長年抗争していた部長連と委員会を和解させた凄腕生徒会役員で、いつも超絶美男子のとなりにいる、超絶美女。  ――っていえば、普通、高嶺の花でしょ?  近寄り難いカンジがするでしょ?   実際、近寄り難いぞオーラ出してんの。出しまくってんの。  なのに。  約30センチ四方の扉をあけ、中を恐る恐る覗き込む。  ――オエ。  靴しか入ってちゃいけないところに、靴以外のものが入ってるのは毎度のことで。  毎回、ノートの切れ端だったり、便箋だったり、ご丁寧に封筒に入っていたり、結構バリエーション豊かで、その人の性格を反映する。  どっちにしろ、割と古典的なのね、このガッコ。  で、今日は、ご丁寧なほうだった。  封筒。  たぶん、無印良品の。  下駄箱の中に手をつっこんで、それを手にする。  宛名は、「一之瀬すみれ様」  ひっくり返すと、「代々木春人」  ――几帳面な字。鳶丸系男子でせうか、と。
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