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「は!?」
「え?!」
「ちょっと待て。アイツ、死んだんじゃなかったのか…っ!?」
会長が渚の手から引ったくるように手紙を取り上げて食い入るように綴られる字を視線で追うと、こんなことが書かれていた
【みんなが寂しがるんじゃないかと思って‥ ネペンテス君を置いていきます。】
「「「は?!」」」
【みんなはネペンテス君は死んだと思ってるかもしれないけど… ネペンテス君は賢いからね。焼ける寸前で根っこだけ、下のコンクリートに這わせてたんだ。
上が死んでも、根っこが生きてたら… 再生するんだよね植物って‥。凄いよね。それにネペンテス君は自身の一部さえ残ってたら勝手に再生するから…… あ、でも気付いてないよね皆は。
俺からのサプライズ、気に入ってくれたら嬉しいんだけど‥。水やりはたぶん大丈夫です。お腹空いたら勝手に池やプールの水を飲みに行くと思うから…
ネペンテス君を可愛がってください】
「「「は!?」」」
「なぜ、あれを連れて行かないんですか!?」
「こんなサプライズは… 寧ろ、迷惑というか‥」
困惑を隠せない旭、頭を抱える会長、口元がヒクつく静…
そして、
『ギャォォォスっっ!!』
奇声を出すネペンテス君に五月蝿そうに耳を塞ぐ渚、
最後の最後まで‥
山田はマイペースだった。
(完)
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