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『トキ兄がもらうのもありじゃない?』
なんて信じられない言葉と、ニヤニヤの笑み付きで刻也さんが八重子さんから受け取ったのは……まさかの純白ブーケ。
引きつる顔を隠そうともせずに彼は、お祝いの席で無言でそれを受け取ったのが―――5日前のこと。
勿論、受け取った直後に忌々しそうな顔と共にその花束を私が受けらされたのは、言うまでもないけれど。
彼の心情とは裏腹に、可愛らしいこの花束を気に入り私は彼の部屋に生けた。
もう枯れてきてあとわずかしか楽しめそうにないけれど……
一応、毎日お水をあげてくれているのか、どうにか生きてるようだ。
うん、可愛い。
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