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そして毎年伸びる方向と位置を手で示してもみじ君に言いました。
「今年はここまで伸びておいで」って目標を与えたら、ホントにその位置に伸びてきました。
私はもみじ君が大好きになりました。
もみじ君もきっと私が大好きになったんでしょう。
だから私のいるところに来たくて来たくて、ある年から彼はその幹をグニャリと曲げて伸び始めたのです。
彼か方向を変えたその先には、私の部屋がありました。
私は毎朝窓から「もみじ君ここだよ、ここまでおいで」と言いました。
2006年、もみじ君は窓から私の部屋の中が見える位置まで来ました。
私達は幸せでした。
しかし、その秋、私は歩けなくなりました。
階段を登り下りしなければならない、その家を出なければならなくなったのです。
サヨナラも告げる事ができずにやってきた突然の別れ。
でもあれだけ愛情込めて話しかけたもみじ君は、きっと独立して立派に成長してると思います。
私がもみじ君から教わった事。
言葉の習慣を変えようと思いました。
何にでも、損得や好みを関係なく、愛を注ごうと思いました。
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