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甘いものが好き。決して悪いことではない。どこぞの国では子どもにチョコレートをあげることが習慣にさえなっているそうだ。笑顔の素敵な人間になるのだとか。
昔、母さんが言ってたなあ。「チョコレートにはたくさんの優しさが包まれてるのよ」
その甲斐あってか、よくも悪くも優しいと言われる僕ができたわけだ。思惑通り、ってところなのかな。自分ではわからないものだけど。うん。
例えば、世界中からチョコレートが消えてしまったら。きっと僕は絶望の淵に追いやられて、しまいにはお尻むき出しの天使たちがきらびやかなオーラとともに迎えにくるだろう。もう眠いんだって、犬を抱えているのは言わずもがな。
そろそろ、時間がくる。重い腰をあげて、身体をのばす。今日もポケットのチョコレートを一粒口に放って、僕は学校へとむかった。
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