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片桐梨奈(かたぎりりな)。
高２、成績けっこう優秀。
対人関係、特に異常なし。
でもたった一人だけ、どうしても嫌いな人間がいる。
それはこいつ。
数学担任の国見。
普段はそんなに好き嫌いはないんだが、こいつだけはどうにも好きになれない。
「この問題、じゃあ片桐分かるか？」
「分かりません(即答)」
じゃあって何だよ？じゃあって！
「少しは考えろよ」
はあ？という顔を、国見に向ける。
国見に対しては、嫌い度が半端ないので猫も被れない状況だ。
普段なら、嫌いな相手にも愛想を使ったりする私。でもこいつには無理。
国見は、私の顔を見て一瞬眉間にシワをよせスッと顔を背ける。
「…じゃ、木村。答えてみろ。間違ってても構わないぞ」
国見は生徒からの人気はそこそこあるらしい。理解に苦しむが。
生徒思いで、相談にも乗ってくれ、分からない所も丁寧に教えてくれるそうだ。
まったく胡散臭い！
絶対裏があるでしょ！
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