諦めたい……のに…

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龍二side 姫乃の言葉を聞いて、傷付いたように俯く影都を見て俺は胸を痛める。 あの関西弁が言っていた事が本当なら、俺はなんて身勝手なやつだったのか身に染みた。 あいつは俺と居れるだけで良かったんだ…ただ、俺の隣に居られるだけで幸せだったんだ。 「………くそっ」 どうしたらいい?今更謝ってももう遅いだろう。 俺といるより、他の奴といる方があいつは幸せかもしれない。けどやっぱり、諦めたくはなかった。 抱き締めてやりたい、キスしてやりたい、一緒にいてやりたい…… 俺の中には影都の事しか頭になかった。頭では分かっていても、いざ行動に移すのは簡単じゃない。 ふと、腕を掴まれる感覚がする。視線を辿れば姫乃が俺を睨み付けていた。 「龍二……あんな酷い奴等の所に行くな!」 「………姫乃、悪いが俺は一一一」 離そうとしても力を強くして姫乃はしがみついている。 「ダメだ!!あいつらは酷い奴等なんだ!」 「姫乃……離してくれ」 「やだやだやだ!」 離す気配もなく、しまいには泣き出してしまう姫乃。いつもなら気にしない我儘だが、この時ばかりはイラッとした。 ……影都に会いたい
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