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そして俺は今、眠さと戦いながら学校の下駄箱に辿り着く。
計算通り、下駄箱に姿を現した村田朔子の隣に立つ。
ゆっくりと俺の方を見て、吃驚したように息を飲む。
何度されても堪えるその対応に、苛立ちながらぶっきら棒に聞く。
「何で来なかった?」
気が急いて、おはようとも言わずに開口一番言い放った俺に目を見開いて声を上げた。
「え、来なかったの?二人とも!?」
慌てて尋ね返す村田朔子はやはり舞田が言ったようにかなりの鈍感らしい。
「…違う、あんたが。」
呆れて溜め息混じりの声で返すと、バツが悪そうに目を逸らした。
「あ。…蓉子ちゃん指名だったから、良いかなと。」
本気で言っているらしい村田朔子はおどおどした感じで顔を赤らめた。
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