言葉より行動を

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  朝食は、思った以上に胃に入らなかった。 私の武器は、早さ。 その為に、体を常に軽く保ち、必要最小限の筋肉をつける。 普段から、体重管理は徹底しているので少食ではあるが……。 米の一粒がこんなに重いとは思わなかった。 食べ終えると、沖田の部屋で待たされた。 螢「丞君と違う人が監視してるなぁ」 呟くと、消えていた気配が乱れた。 螢「……すみません」 仕事の邪魔になっただろうか。 思わず謝ってしまった。 沖田「螢さぁん!!買い物の時間が来ました!!」 勢いよく沖田が部屋に入ってきて、 沖田「行きますよ!!」 と手をガッシリ掴まれ強制的に走らされる。 背の高い下駄を履き、門へ向かうと……背の高い少し細い切れ長の目をした寡黙そうな男が居た。 沖田「斉藤さん!行きましょう!」 やたらテンションが高い沖田は満面の笑みだ。 斉藤「斉藤一だ」 男はそう言って、歩き出した。 寡黙そうではなく、寡黙なのか。 斉藤一。沖田や新八と並ぶほどに剣術が強い人だったはず。 彼の素性は、未来でも謎が多い。 実は、会津藩のスパイだったという説もあるくらいだ。 まぁ、どうでも良いか。 沖田「着物と、刀と、寝間着。それからぁ……髪紐。他に必要なものはありますか?」 沖田は楽しそうに私に言ってきた。 螢「稽古着とさらしくらいです」 さらしは特に必要なもの。 胸はそこまで大きくないが……やはりさらしを巻くと気合いが違う。 沖田「じゃぁ、まずは着物から行きましょう!」 沖田はどうしてそんなに元気なんだろうか。  
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