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どうしようか?選択権は二人にある
「飲んできたの?」
香織が黙って首を振る
下を向いたまま、グラスの氷を指でカラカラ回す
「どう思ったの?」
どう…もちろんその事しかない
「…驚いた」
私は、シンクに向かって洗い物をしながら答える
「…俺も…どう思う?」
「わからない。でも…」
一瞬口ごもり、また話し出す。私はタバコに火をつけて天井に向かって煙を吐き出す、顔は向けられない
「ダメなの…彼と出来なくなっちゃった」
香織も同じだった。あんな感覚が得られるなら今のパートナーとの方が良いに決まっている
ふ~っとため息を吐く、どうやら相性なのかも知れない。それにしたって、茜の友人じゃなくても良いだろう
意地悪な出会いだった
「どうしたい?」
そんな狡い言葉を投げかける
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