運命の日

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「入っても良いかな?」 そんな風に香織が声をかける 「ああ、少しなら…構わないよ」 緊張している様子だった カウンター越しに対面している私も同じだ 「元気だった?」 かける言葉が見つからない、一週間前に会っているのにつくづく間抜けな言葉 そんな言葉にも香織は反応しなかった、じっと私を見ている。すがる様な、誘っているような眼差し 多分、私と同じだろう。あの先に何があるのか?知りたい気持ちと、近寄ってはいけないという想いが交錯している どちらかが、一言誘いをかければもう先は見えている 好奇心と背徳、これほどに魅力的な言葉はない
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