別れる事になりました

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  ――勿論だ 三人を帰したクロムは使い物にならなくなった防具を外していた。 彼が三人を帰した理由は二つある。 一つは休戦をするため。二国相手にしていたら国力が疲弊する。そうなったら連合の思うつぼだ。だが一国――グラムなら問題無い。 ドルム・オリエントと共同戦をすれば勝敗は見えている。上手く行けば戦争せず、グラムから賠償金をせしめれば良い。 また休戦協定が上手く行かずとも町一つ落とせない事実にエルフ達の士気は低下。 反戦運動が起きてくれれば儲け物だ。 因みにもう一つの理由は…… ――お兄ちゃん……! 「思い出しちまったな……」 彼等の妹と自分の妹が重なったからだ。      エルフがいない事を確認して町に帰ろとした時、ウルから念話が来た。 《大変だよクロム!ステラがルークいないって叫んでレイが敵を……》 《簡潔に説明すると?》 《ルークが山に居てグラムの兵が攻めて来たけど焼き殺したよ》 《……分かった。敵は問答無用で殺せ。 終わったら肉たらふく食わせてやるからな》 クロムは念話を切ると探知、花畑に居るルークに向かって走り始めた。     † ――花畑 普段は色鮮やかな花が咲き誇る花畑は地面がめくれ上がり、見る影もない。 辺りにはグラム兵十人。他は町に向かったのだろう。 そんな兵の中で赤いローブを纏った男はハルバートを肩に掛け心底つまらなそうな表現をした。 「大口叩いてこの程度かよクソガキ。 兵を切り付けて怖じづきやがって殺す気が無いなら戦場に立つんじゃねぇぞア゛ァ?」 短く刈り上げた赤髪を荒っぽく掻くと足元に倒れているルークを蹴り上げた。鳩尾に入った蹴りによってむせ返る。 「もしかしてあれですか?自分が特別だと思い込んじゃってる系ですか~? 現実見ろよクソガキ。テメェなんざ俺から言わせればそこらに辺にいる蟻と同じだ」 暴言を浴びせるが全く反応を示さないルークに飽きたのか彼はルークを部下の前に蹴り上げた。 「おい、そこのお前。殺せ」 彼はまるで、煙草の火を貸りる様に自然に言った。
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