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私達は、水族館の出口付近にあるお土産店の前まで、おじさん先生に案内されて出てきた。
「「ありがとうございました」」
二人でもう一度、お礼を言う。
「気をつけてね」
おじさん先生は、笑顔で手を振り、施設の奥へと去って行った。
私は、目の前にあるお土産屋さんのショーウインドーに、ふと目が行った。
そこには、イルカの写真パネルと一緒に、イルカのぬいぐるみや貯金箱が飾ってあった。
私はショーウインドーに近づき、見入る。
「お土産、買って帰る?」
将さんは私の横に立ち、優しい声で聞いてきた。
将さんは、あの人のことを、何も聞いて来ない。
「将さん…」
「ん?」
「あたし…」
「文香…
無理しなくていいんだよ。
橋本も言ってたでしょ?
文香もリハビリ中なんだから…
ゆっくりでいいんだ」
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