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とりあえず、ディアナは憤慨していた。
何がどうと説明をする気にもなれないほど、ディアナの頭の中は沸騰していた。
純白の簡素なドレスを着せられて、同じく真っ白な髪は銀の紐と白百合で飾られて。
確かに貧しい生活をしている身だから、こんな綺麗な格好を出来るのは一生に一度かもしれない。
しかし今、たとえ褒めちぎられたとしても、ディアナはちっとも嬉しい気持ちになれる気がしなかった。
それもこれも、全部、目の前にいるこいつのせいだ。
ディアナは吊り上った緋色の目で、その黒い男をきつく睨んで言った。
「さあ、食べるならさっさと食べなさい」
黒い男は、白い歯を剥いて笑った。
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