鬼の打ち明け話★にくまん、あんまん

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みなさんは、どちらが好きであろうか?にくまんと、あんまん。これをめぐって、世界の運命が決まった話をしよう。 お皿に、にくまん、あんまん、それぞれ1個ずつ残っていた。後鬼が、何気に、にくまんをとって、ほうばっていると、小角と前鬼が帰ってきた。後鬼が何か食べているのを見て、空腹の前鬼は、もう1つに手を伸ばしたが、小角にとられた。 「や!あんまんだ。うまいな」 小角は甘い物好きである。前鬼はみるみる、目に涙をためて、その場を去った。小角も後鬼も、心が痛んだ。 その夜、夕食もすませ、床についた前鬼は、夢を見た。何か大いなる人が、にくまんをいっぱい並べた皿を持って、こっちに来い、と呼んでいる。おいしそうだが、さっきのが食べたかったのだ。それはいらないと、断ったら、その人は、すっと消えた。 朝、小角は、その夢の話を聞いて、あわてた。そして前鬼をほめた。何か善からぬ物の怪が、前鬼を始めとして、皆を、自分の世界に引き込もうとしているらしかったのだ。あーよかった。 とっつぱれ
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