開催

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「パーシー、裏口付近に敵の気配はあるか?」 バーナードがパーシーに歩み寄り、汗を拭って尋ねる。 「今は離れてます。が、出るのは安全じゃないですね」 パーシーの背後、講堂の演説舞台の奥には、外へ出る為の裏口がある。 それを使い、皆を避難させたいバーナードだが、今は難しいようだ。 「だから俺にリーダーやらせときゃよかったんだよ。このテセウスにな」 テセウスと名乗る男はため息をつき、倒れているアイギスメンバーを順番に見る。 「この人数はさすがにキツイぜ・・・外は終わったってのに」 「ベラベラと喋ってんじゃねぇよ!」 痺れを切らしたジョンが、生成したままの猟犬を五人にけしかける。 「お?」 とっさにバラけ、回避する五人だが、出遅れた一人が喰らい付かれ、体の中から弾け飛んだ。 「いきなりかよ。怖ぇな」 飽きれ口調でつぶやくテセウスをよそに、護衛捜査官達の攻撃が始まった。 「おらッ!」 放が斥力を使い、一人をふき飛ばして血の猟犬にぶつける。 その瞬間にその男は食われ、猟犬の一部となった。 「会長は避難を。功刀の側を離れねぇで下さいよ?」 放の忠告を聞き入れ、地道は舞台の側まで下がる。 「あんたらはお呼びじゃないわ!」 マリアンが一人の胸部に右手を押し当て、肋骨を粉々に砕く。 「そこをどけリカルドォ!俺がやる!」 ウェズレイは赤い光に身を包み、テセウスを狙う。 だが護衛のペドロに止められ、避難するように言われた。 「総帥、こちらへ」 李も護衛の言う通りに舞台側へ避難。 「うらッ!」 ゼルが一人を殴り飛ばし、猟犬の餌にした。 「俺の力をゴミ箱みてぇに使うなよ!」 そう言いながらもジョンは、マリアンにやられた男を猟犬に食わせる。 これで、残るはテセウス一人。 しかし、状況は悪化する。
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