0・二人が出会った日

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太鼓の音と笛の音色が外から聞こえる。 私は1人座敷牢で膝を抱えて畳を見つめていた。 シャンッ… シャンッ… 鈴が鳴り始めると、ばば様達が何かの呪文を唱えている。 もうすぐ、現れるのだろう“影(カゲ)”が… 「何でこんなトコにいんの~?」 突然間の抜けた声がした。ここは鍵がしてあって誰も入れないはずなのに… 恐る恐る顔を上げると、ニッコリと笑う黒髪の少年がいた。 血のように赤い目が私を捕らえた。 「私…あの場所に行けないから。」 何故だか反らしたくとも、目が離せない。 「ふーん…もしかして、あのタヌキが今年の影番(カゲバン)?」 外にいる親戚のおじさんを指差した。 「そう…でも、失敗したみたい。影は「俺が影だよ?」」 少年はヘラッと笑った。 ・
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