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「えぇーーーっ!?」
リングを見て、また驚きの声を上げる圭。
そんな様子を見守り、静かに返事を待つ。
圭は、青くなったり赤くなったり暫く自分の世界を彷徨った後、放心。
キュッと唇を引き結んで俺の顔を見て――。
眉が下がったと思ったら、両目からボロッと音がしそうな特大の水球を落っことし、飛び掛かる様に抱き着いてきてワンワン泣き始めた。
「ぎょーずげぇ! ふづづがもの、でずが……よろじぐ、ウッ、おねが、じまっ」
「ん……有難う」
そっと抱き締め返し、圭の髪に顔を埋めて礼を言う。
知らぬ間に滲んだ涙が、俺の視界を不透明にしていた。
まさかプロポーズで感極まるとは、俺もまだまだだ。
圭を守り、導く者として、もっと精進しなくては。
漸く手に入れた最愛の女性を抱き締めた腕に、力を込める。
決して離さないという様に。
そして――。
……圭。
今ここに、俺の一生をかけて。
お前に……永遠の愛を捧ぐ――。
そう、自分の心に誓った。
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