密かな願い

2/5
658人が本棚に入れています
本棚に追加
/283ページ
いつもの時間にいつもの食堂でいつものくだらない話。 のはずだった。 「あのーみなさんに報告があります」 「どうしたのあっちゃん?」 手を挙げて恥ずかしそうにはにかむあっちゃんと、それとは対照的にあっちゃんと離れた席に座り黙々と食べるカイ。 まさか… 「あたし、宮澤くんと付き合うことになりました」 「うえー!!まじかよ!?あっちゃんおめでとう!」 「優子うるさい!でも、あっちゃんおめでとう」 女子群はいいよな。 カイの気持ちなんて知らないから、平気で"おめでとう"なんて言える。 俺とリクは一瞬顔を見合わせてから、ゆっくりと"おめでとう"とあっちゃんに言った。 「ありがとー!もう本当に嬉しい」 そう言ってデレデレとするあっちゃん。 「あ、じゃあその波に乗って…私、リクと付き合うことになりました!!」 「えぇっ!?優子も!?」 「ちょっ、優子…」 リクはチラッとカイを見て気まずそうに優子を咎める。 _
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!