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私は、自分の体を起こすと息を整え座ったまま手を伸ばして靴を脱ぐと、溜息を付きながら立ち上がった。
普段使わない筋肉を使ったのか、立ち上がった時に少しよろめいてしまい、慌てて壁に手を着くと鞄を拾ってそのまま自分の部屋へと向かった。
圭は、その様子をジッと見ていたが我に返ったのか、慌てて私の後を着いてきた。
「ごめん・・。その・・・」
圭は、私の部屋の入り口で佇み、謝るも言葉を噤んで俯いてしまった。
私は、鞄を小さなソファーに置くとピヤスやネックレスを外し、鏡台の上のジュエリーボックスにしまった。
私は無言で、圭をチラリと見るとクローゼットを開け、中から薄手のパーカーを取り出した。
「なぁ、怒るなよ。俺が悪かったから・・・な?」
「別に怒ってないわよ・・・」
私は、引き千切られたシャツを脱ぐとすぐにパーカーを着た。
シャツは、所々ボタンが取れ掛かっていた。
「怒ってるだろ?」
ちょっと語尾を強目に言った圭は私の腕を取り、圭の方へ向かせた。
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